Japanese Version

  1. 概要
  2. コース詳細
  3. 講師・スタッフ紹介
  4. 修了生の感想
  5. 動画『問題の核心に迫る』
  6. 日本人話者の皆様へ
  1. 概要

過去30年間で、生命に関する新しい考え方が科学の最先端に現れました。それは生命の生物的、認知的、社会的、生態的な側面を統合した考え方です。これにより、私たちは地球を「機械」としてではなく、「ネットワーク」として認識できるようになりました。

現在、世界中の優れた研究者たちがこの新しい生命科学を発展させています。この新しい分野の概念や知識を一つの論理的な枠組みにまとめ、今回、オンラインコースとして提供することにしました。

私はこの新しい生命の考え方を「システム生命観」と呼んでいます。それは、ものごとの関係性、パターン、文脈などを考慮した全く新しい捉え方だからです。科学界ではこれシステム思考」または「体系的な思考」と呼ぶことがあります。私があえて「システム生命観」と呼んでいるのは、生物、社会、生態系などを正しく理解するためにそれらをシステムとして捉えることが不可欠だからです。

ものごとをシステムとして見ると、エネルギー、経済、気候変動、不平等など、私たちが直面する様々な課題がすべて相互に関係し、相互に依存しているという事実に気付かされます。これらの問題は、どれもシステムの問題であり、相応のシステムの解決策を必要とします。

このコースを受けると、世界が直面するあらゆる問題の本質を理解し、世界中の組織や個人が提案しているシステム解決策を正しく認識するツールを手に入れることができます。

ぜひ受講をご検討ください。皆様との刺激に富んだ議論を楽しみにしています。

ーフリッチョフ・カプラ

予告編

Add Capra Course trailer video here (no Japanese subtitles atm).

The Heart of the Matter

コースの講師であるフリッチョフ・カプラ氏が、SDGs(国連の定める持続可能な開発目標)とシステム生命観の重要性について触れている、一般向けの映像です。日本語字幕もございます。

Add link to the Heart of the matter video (Japanese translation coming soon)

  1. コースの詳細

このコースは事前に録音された12の講義からなり、補足資料とともに毎週1講義ずつ公開されます。各講義の長さは約40分です。 このコースを受講すると、カプラ氏も参加する会員限定のオンラインディスカッションフォーラムにもご参加いただけます。 コースフォーラムを通して他の受講生と対話したり、資料を共有したりすることができます。質の高い交流を可能にするため、受講者数は250人限定といたします。

講義映像は、最後の講義が公開されてから5週間後まで閲覧いただけます。 必要であれば、修了証明書を発行いたします。 

*現在コースは英語でのみで受講いただけます。お申し込みはこちらから。

講義内容 

1. システム思考

2. 生命のネットワーク 

3. 生物界の秩序と複雑性 

4. 進化におけるシステム観

5. 精神と意識 

6. 科学とスピリチュアリティ

7. 健康におけるシステム観

8. 生命、精神、社会 

9. 組織における社会生活とリーダーシップ   

10. 生命の生態的側面 

11. システム思考と世界の現状

12. 体系的な解決策

教科書

オンラインコースの元となっている教科書は書籍『The Systems View of Life 』です。

カプラ博士渾身の集大成の共著であり、詳細で重厚な作りとなっています。また、引用文献が豊富に参照されています。オンライン講義を受けながら、あるいは受講後により詳細を知る際に役立ちます。アマゾンでの購入はこちらから。

受講料

収入に関わらずできるだけ多くの人が参加できるよう、三段階の料金設定を設けています。どの受講料タイプをお選びいただいても、同じ講義内容をご覧いただけます。また補足資料へのアクセス、カプラ氏や他の受講生と話し合うためのディスカッションフォーラムへの参加権も含まれます。受講料は米ドルです。

学生/低所得 $ 200

経済的自立をされている方 $ 500

エグゼクティブ $ 1000

また、カプラ氏との一時間のスカイプ対談付の企業や団体のグループ割引もございます。ご希望の方は下記のメールにお問い合わせください。development@capracourse.net 

奨学金

学生/低所得者の料金体験を選んだ参加者に対して、若干名の奨学金が利用可能です。この奨学金は慈善的な寄付によって成り立っています。皆さまの寄付のおかげで、2021年春のコースは80名が奨学金を受けられました。奨学金のお申し込みはこちらからお願い致します。寄付をして下さる方は、こちらにお問い合わせください。

  1. 講師・スタッフ紹介

講師:フリッチョフ・カプラ博士 (Fritjof Capra, Ph.D)

フリッチョフ・カプラは、カプラコースとシステムビューラボの主任講師です。物理学者、教育者、環境活動家であると同時に、科学における概念的変化を実社会の価値観の変化に当てはめ、数多くの国際的ベストセラーを執筆している著作家でもあります。

1995年にカプラ氏はバークレーに本拠を置くエコリテラシーセンターを創設しました。現在はブラジル・サンパウロにあるAmana-Keyの経営者教育プログラム講師、イギリスの生態学研究の国際センターであるシューマッハカレッジの客員教授を務め、地球憲章イニシアチブの評議会にも参加しています。

著書に『The Tao of Physics』(タオ自然学)(1975年)、『The Turning Point』(ターニングポイント)(1982年)、『The Web of Life』(1996年)、共著に『The Systems View of Life』(2014年)などがあります。

コースコーディネーター: シルビア・ディ・ブラシオ (Silvia Di Blasio)

アルゼンチン出身のシルビアは、カプラコース受講者のサポートや、コース体験の向上のため、裏方で活躍しています。カプラコースの修了生であり、コースの世界一のファンでもあります。シルビアは20年以上にわたり、教育、非営利団体、サステナビリティの分野で活躍し、幼稚園教諭、コンピュータサイエンス講師、成人教育者、キャリアカウンセラー、オンラインインストラクター、ファシリテーターとしての経験を培ってきました。 また、パーマカルチャーや持続可能なデザインのコンサルタントや指導者としても活躍しています。心理教育学の学位に加え、オンライン教育とサステナビリティ・デザインの資格を持っています。

コース開発マネージャー: デラ・ダンカン (Della Duncan, MA)

デラは、カプラコースとシステム・ビュー・ラボの開発マネージャーであり、修了生ネットワークのサポートやコースのプロモーションも担当しています。伝統的な経済思想に異を唱える経済学者として、価値観の変容を促すコースや、リトリートのファシリテーターを務めています。また、Right livelihood coach (ライト・ライブリフッド・コーチ)として価値観と仕事を調和させるコーチングや、持続可能で公平な社会システムの変化に貢献する組織のためのコンサルティングを行っています。その他にも、アップストリーム・ポッドキャストを配信したり、ドキュメンタリーやインタビューを通じて伝統的な経済思想に一石を投じています。

コンサルタント/システムビューラボ講師: ジェン・メーソン 博士 (Jen Mason, Ph.D)

ジェンは、コンサルタントとして人々の学びをサポートしたり、集団的知性を高める活動を行っています。以前は、幼稚園児から高校生までを対象として、20年以上教育者として活躍していました。教育を通して若者が自然とつながる機会を設け、エコリテラシーやシステム思考に加え、コミュニケーターや意思決定者としてのスキル、チェンジメーカーとしての主体性を身につけるサポートを行ってきました。プレスコット大学での博士号研究では、複雑で適応力のあるシステムのレジリエンスを高める上で、リスニングがいかに大きな役割を果たすかについて研究しました。エコロジー教育の修士号に加え、サステナビリティ教育の博士号を取得ています。

  1. 修了生感想

世界をシステムとして捉える見方を生物、社会、生態、認知の領域を横断しながら、その文脈を科学的見地から統合してくれたのが、フィリチョフ・カプラ博士。システム思考の源流や、全体性を捉える見方、世界を違う風に捉えて新しいインスピレーションを得れました。学生からビジネスマン、政治家まで全人類必携のプログラムです!

ー 荒井慶悟(2019年春修了生) ファシリテーター 名古屋在住

現代の科学の進展で判明した生命、進化、認知の考え方は圧巻でした、更に、そこから社会、リーダーシップ、持続可能な社会とはどういったことかについて広大な領域を見事なフレームワークとして統合した渾身の授業が受けられます。日本でここまでの広い領域をカバーしながら深く・コンパクトに学べる機会なかなかないのではないでしょうか。フリッチョフへの質問のやりとりや、海外の多くの方との議論もとても楽しめました。 

ー 入澤潤(2020年春修了生) 量子化学 × パーマカルチャー 富山県在住 

科学の知識がほとんど無くても、図解付きの映像講義はわかりやすかったです。学校では学べなかった大事な現代科学の発見について、遅ればせながら学ぶことができたのは貴重でした。自分の専門分野の中だけで、問題の特定や解決をしようとして行き詰まった時に、この講座で学ぶ統合の視点を持てるようになると、今までよりも掘り下げた考え方や今までにない対策が出て来たりします。オンラインのフォーラムでは、講師はどんな質問でも丁寧に返事をして下さいましたし、高校生から高齢者まで様々な方が参加され、それぞれのシステミックな取り組みにも刺激を受けました。 

ー 中條加月沙(2020年秋修了生) 環境設計 x 生態系再生 バンクーバー在住 

  1. 動画『問題の核心に迫る』

国連SDGsを達成するためのシステムアプローチ

この動画は、物理学者でありシステム理論の第一人者であるフリッチョフ・カプラ博士からの緊急メッセージです。国連の定める持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)を達成する方法として、システム思考の重要性について触れています。問題の核心に迫ることは、世界が抱えるあらゆる問題が「体系的な問題」 – つまり相互に関連し、相互に依存していること – そしてそれゆえにSDGsもシステムとして相互に関係していると認識することです。人類文明を存続させるためには、断片的で孤立したアプローチから、統合された体系的なソリューションが必要不可欠なのです。

持続的な未来を保障するために必要なアクションは次の4つです。

  • 自然界のシステムに習い、「量」から「質」の成長に移行すること
  • 生態系に関するリテラシーを高め、持続的なコミュニティをデザインすること
  • アグロエコロジー(農業生態学)をはじめとした既存の体系的な解決策について理解すること
  • 地球憲章に示されるような新しい地球の倫理観を採用すること

このプロジェクトは、カプラ氏による30年に渡るシステム思考研究の集大成であり、世界のあらゆる体系的な問題を同時に解決するものです。システム思考やシステム生命観について、詳しくは下記をご覧ください。

『フリッチョフ・カプラが問題の核心を語る』は、カプラ氏の研究をSDGsに取り組む世界各国のリーダーに届けるために、専門家やカプラコース修了生が一丸となり、国連NGOメジャーグループCommons Clusterの協力のもと制作したものです。 

執筆・ナレーション: Fritjof Capra, Ph.D.

プロジェクト主任: Marilyn Fowler, Ph.D.

アドバイザー: Lisinka Ulatowska, Ph.D.

プロデューサー: David Peters

デザイン・ビジュアル: David Peters

映像編集: Derek Dockendorf

撮影: Gino Rose

音楽: Chris Zabriskie

コーディネーター: Mira Michelle Kennedy, M.A.

補佐: Phoebe Tickell, M.A.

パブリックドメインやクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを通して貴重なお時間や作品を提供してくださった皆様に感謝申し上げます。

地球の倫理観や、SDGsに関する国連の2030アジェンダについて、詳しくは下記をご覧ください。

earthcharter.org

sustainabledevelopment.un.org

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  1. 日本語話者の皆様へ

The Systems View of Lifeやカプラコースに関心があって、ホームページに訪れてくださったみなさん、こんにちは!気にかけていただきありがとうございます。

現在、カプラコースの日本語翻訳を進めているメンバーを代表してみなさんにメッセージを伝えたく、筆をとっています。

カプラ博士が提供しているプログラムやホームページは、もともと日本語での対応がありませんでした。英語や違う言語でのみの対応では、博士の考える世界に踏み込む入り口が小さいことがもったいない!と思いました。そんなところから、The Systems View of Life をもっと気軽に関心ある方に届けたい、日本でももっと広がってほしい、と思ったメンバーが発起人となってプロジェクトがはじまりました。

今では、5名の個性豊かなメンバーがボランティアで翻訳を行っています。それぞれが本業をもつ中、The Systems View of Life がもつ世界観に共感したメンバーが集まって活動しています。営利目的ではなく、自分たちのペースで行っています。そのため、更新が遅かったり、翻訳内容を深くまでツッコミきれない場面が出てきたり、などあるかもしれません。また、プログラム内の日本語サポートも対応ができません。ご理解いただけたら嬉しいです。

最後に、The Systems View of Life がもつ世界観に共感し、翻訳の他、日本でのこのコースの認知を広めるための活動(広報・宣伝、イラスト化など)をお手伝いしてくれるプロジェクトメンバーも募集しています。もし関心ありましたら、下記までご連絡ください。お待ちしてます。

systemsviewjp@gmail.com

和訳ボランティア一同

(中原萌、荒井慶悟、入澤潤、中條加月沙)